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遺言書の内容に納得できない場合破棄できる?対応方法などについて解説

被相続人が残した遺言書の内容に納得できないということもあるかもしれません。

しかし、このときに誤った対応をとるとペナルティを課せられる可能性があるため、注意が必要です。

今回は、遺言書の内容に納得できない場合に破棄することができるかどうかや、適切な対応方法などについて解説します。

内容に納得できない場合遺言書を破棄できるかどうか

遺言書を独断で破棄したり、隠したり、書き換えたりする行為は、法的な不利益の対象となります。

そのため、遺言書の内容に納得できなかったとしても破棄はしないでください。

具体的に遺言書を破棄した場合に課せられる可能性のあるペナルティとして、相続欠格の適用があります。

相続欠格とは、民法によって定められた、遺言書を偽造したり、変造したり、破棄したり、あるいは隠匿したりした者が相続権を失う制度のことです。

相続欠格が適用されると、対象の人物は最初から相続人でなかったものとして扱われ、本来受け取れるはずだった基礎控除や法定相続分も取得できなくなります。

また、刑法上の観点からしても、他人の権利に関する文書を損壊する行為は私文書等毀損罪に該当する可能性が高いです。

遺言書の内容に納得できない場合の対応方法

遺言書の内容に納得がいかない場合には、正当な法的手続きを通じて状況を改善できる可能性があります。

独断で遺言書を破棄するのではなく、次のような方法を検討してください。

遺言書の効力の確認

遺言書の内容に納得できないと感じたら、まず遺言書が法的に有効な形式を備えているかを確認しましょう。

特に遺言者が自筆で作成した自筆証書遺言の場合、法律で定められた形式を満たしていなければ内容にかかわらず無効となります。

確認すべき項目は、全文が本人の手書きであるか、正確な日付が記載されているか、署名と押印がなされているかなどといった点です。

また、遺言書が作成された時点で遺言者に十分な遺言能力があったかどうかも焦点となります。

遺言能力とは、遺言の内容を理解し、その結果としてどのような法的効果が生じるかを判断できる能力のことをいいます。

高度の認知症を患っており、自分の財産を誰に譲るかという判断が困難な状態で作成された遺言書は、裁判を通じて無効とされる可能性が高まります。

これを確認するためには、当時の介護記録や医師の診断書、親族とのやり取りの記録などを収集する作業が重要です。

遺言書が本人の筆跡ではなかったり、後から誰かが書き加えた疑いがあったりする場合は、家庭裁判所へ遺言無効確認の訴えを提起することになります。

これは民事訴訟の一種であり、裁判官に対してその遺言書が偽造であることの確証を提示し、無効の判決を求めることになります。

証拠として亡くなった方の日記や役所に提出した書類などの原本を集め、筆跡鑑定を行うことが一般的です。

遺留分侵害額請求の利用

遺言書の内容が有効であったとしても、特定の法定相続人には遺留分という最低限保証された取り分が認められています。

遺留分を侵害されている相続人は、遺産を多く取得した人に対して自身の遺留分に相当する現金の支払いを求めることができます。

この権利を行使する手続きが、遺留分侵害額請求です。

遺留分侵害額請求を行うには、相続の開始および遺留分を侵害する遺言の存在を知った時から1年以内という期限があります。

そのため、遺言によるあまりに不平等な遺産分割に不満を感じた場合には、迅速に遺留分侵害額請求の利用を検討してください。

特別受益や寄与分を考慮した分配の修正

特別受益や寄与分の概念を用いて遺産分配額が修正されることがあります。

特別受益とは、特定の相続人が被相続人の生前に受けた住宅購入資金の援助や婚姻のための費用などといった特別な利益を指します。

これによって他の相続人との間に著しい不平等が生じる場合には、他の相続人からの請求によって生前贈与された額を相続財産に持ち戻して計算し直すことで公平な分配が行われます。

一方で、被相続人の家業を無償で手伝ったり長年にわたって介護に尽力したりして、財産の維持や増加に貢献した相続人に認められるのが寄与分です。

たとえば、親の看護のために離職して自宅で看病を続けた場合などには、その貢献度を評価して他の相続人よりも多くの財産を取得できるよう調整が行われます。

遺言書で特定の人物に多く渡すよう指定があっても、これらの権利を主張することで、実質的な取り分を修正できる可能性があります。

ただし、特別受益や寄与分を認めさせるためには、金銭の動きを証明する書類や介護の記録といった客観的な証拠を提示しなければなりません。

相続人全員の合意による遺産分割

多くの相続人が遺言書に納得していなければ、相続人全員の合意を得て遺言書の内容とは異なる遺産分割を行うことが可能です。

この場合、相続人同士の話し合いによって具体的な遺産分割を決定することになります。

ただし、遺言執行者が指定されている場合は、その執行者の承諾が必要になることもある点に注意してください。

家庭裁判所における調停の活用

相続人同士の話し合いが平行線をたどる状況では、家庭裁判所の調停を利用することが有効です。

遺産分割調停などの手続きを利用すれば、裁判官や調停委員が間に入って妥協案を提案してくれます。

調停が成立すれば調停調書が作成され、判決と同じ効力が認められます。

不成立に終わった場合には、裁判へと進むことになります。

弁護士に相談するメリット

遺言書の内容に納得できないとき、個人で対策をとると専門知識の不足によってペナルティを課せられるリスクが高くなります。

弁護士に遺言書について依頼することは、自身に有利な結果を得るために有効です。

具体的に、弁護士は専門的な知識を用いて遺言書が法的にどの程度の効力を持っているのかを判断します。

無効となる可能性がある場合には、主張の正当性を証明するための資料収集をサポートします。

また、弁護士照会などの制度を利用して医療機関や行政から必要な情報を効率的に得ることが可能です。

さらに、遺言書の有効性に争う余地がないと判断した場合であっても、その後にとるべき行動についてのアドバイスを行えます。

また、交渉の代理を任せられることも弁護士に依頼するメリットです。

これにより、依頼人の精神的な負担の軽減が期待できます。

遺留分侵害額請求や調停に進んだ際にも、弁護士が複雑な書類作成や法廷での主張をサポートします。

まとめ

今回は、遺言書の内容に納得できない場合に検討すべき対応方法を解説しました。

遺言書の内容に納得がいかずに遺言書を破棄することには、多くのリスクがあります。

このような場合には、正当な手段を検討することが自身の権利を守るために有効な方法です。

どのような対応を行えばよいのか迷われている場合には、弁護士に相談してください。

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伊東 達也先生

伊東 達也Tatsuya Ito

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所属
  • 刑事弁護センター 副委員長
  • 司法問題対策等委員会 委員長
  • 広報委員会 委員
  • 静岡県留置施設視察委員
  • 常葉大学非常勤講師(倒産法)
経歴
  • 1982(昭和57)年 1月 静岡県静岡市 生まれ
  • 2000(平成12)年 3月 静岡県立静岡高等学校卒業
  • 2004(平成16)年 3月 千葉大学法経学部(現 法政経学部)卒業
  • 2011(平成23)年 3月 静岡大学法科大学院卒業
  • 2011(平成23)年 9月 司法試験合格(修習:新65期)
  • 2013(平成25)年 4月 静岡法律事務所入所

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名称 静岡法律事務所
資格者氏名 伊東 達也(いとう たつや)
所在地 〒420-0867 静岡県静岡市葵区馬場町43-1
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