相続の相談・依頼を弁護士にする５つのメリット

相続は法律の絡む問題ですし、日常的によく直面する手続でもないため、「何から始めればいいのかわからない」「どうやってすればいいのかわからない」と相続に関する手続で悩むことも珍しくありません。

そんなときはぜひ弁護士に相談してください。

弁護士なら相続に関する幅広い相談・依頼に対応できますし、以下で解説するように多くのメリットが得られます。

メリット ①遺言書作成のサポート

「弁護士への相談・依頼で、遺言書作成のサポートが受けられる」というメリットは、主に被相続人向けの内容です。

ご自身の死後、遺産をどのように分け合うのか（遺産分割）、誰にどの財産を取得してもらうのか（遺贈）、その他言いたいことを遺言書で伝えることができます。

ただし遺産分割のことや遺贈のことに法的な拘束力を持たせるには、方式の不備なく適切に遺言書が作成されていないといけません。

民法に定められているルールに従い、また、遺言内容も法律に反することなく記載していかないといけません。

書き方次第では相続人間で揉めることもありますが、法律家の助言を受けていればこうしたリスクも回避しやすくなります。

遺留分対策もできる

遺言書で相続人や第三者の取り分を定めるとき、「遺留分」にも注意が必要です。

一定の相続人には遺留分というものがあり、遺産総額のうち一定割合に相当する金銭を取得する権利が法的に認められているのです。

そこで遺言書通りに実行することで取得財産が極端に少なくなるときでも、「遺留分が侵害された」と主張して遺留分権利者は金銭を請求することができます。

遺言自体無効にはなりませんが、受遺者が金銭の支払いに応じないといけないなど、手間や負担が大きいです。そこで遺留分の仕組みなどを理解した上で遺贈分を調整することが重要です。弁護士がついていれば遺言者自身で遺留分制度を一から調べる必要はなくなり、遺留分配慮した遺言書をスムーズに作成できるようになるでしょう。

場合によっては「遺留分の放棄」や「相続人の廃除」の提案をし、その手続のサポートをすることも可能です。

※遺留分の放棄とは、家庭裁判所の許可を受けて、相続開始後に遺留分の主張ができる権利を捨てること。相続開始後の放棄については家庭裁判所の許可不要。

※相続人の廃除とは、家庭裁判所の許可を受けて、特定の相続人について相続権を剥奪すること。虐待をしていたなどの事実が認められれば、生前の手続あるいは遺言によって廃除をしてもらうことができる。

メリット ②相続開始後の調査代行

「弁護士への相談・依頼で、遺産や債務、相続人についての調査を代わりに進めてもらえる」というメリットもあります。

相続開始後、相続人らは亡くなった方の持っていた遺産を調べ、どんな資産があるのか、その価額はいくらなのか、債務はあるのか、といった調査を進める必要があります。資産が多く残っていれば良いですが、債務の方が大きいときは相続放棄も検討しないといけません。また、遺産分割をするにも遺産の内容がわかっていなければ進めようがありません。こうした各種相続手続の準備を弁護士は進めることができます。

また、相続人の確定も相続手続に必須です。法定相続人を明らかにできないと遺産分割協議を始めることができません。

そこで亡くなった方の戸籍集めや民法との照らし合わせによる法定相続人の判定が必要であるところ、これらは手間と知識を要する作業です。

しかし弁護士がついていれば相続人の方が作業に悩む必要はありません。

メリット ③相続放棄や限定承認のサポート

もし「借金が多く残っていて相続をしたくない」という場合は、相続放棄の手続を進めます。

このときは家庭裁判所に放棄をする旨の申述をする必要があり、いくつか書類を取得・作成して提出しないといけません。

さらにその後家庭裁判所から相続放棄に関する質問を受け、回答書を提出しないといけないケースもあります。

相続放棄が認められる確証はありませんし、手続のミスや相続開始後の行動によっては放棄ができなくなるおそれもあります。

しかし相続手続に実績のある弁護士がサポートすればそのリスクも下げられます。

相続放棄だけでなく「限定承認」という選択肢もあります。財産状況が複雑で把握しきれないときなどにこの選択を採り、そうすることで予想外の債務にも対処ができます。限定承認をしているとき、相続した積極財産の範囲に限り債務を弁済すれば、残りの債務についての弁済を自己負担する必要がなくなります。
ただし清算手続などが必要で、相続人には手間が大きいという難点があります。

できるだけ弁護士にもサポートしてもらい、不備のないようにしないといけません。

メリット ④遺産分割協議のサポート

「弁護士への相談・依頼で、遺産分割協議のサポートが受けられる」というメリットもあります。

遺産分割協議とは各相続人が取得する財産を定める重要な手続で、ここで揉めることも多いですが、弁護士から法定相続分のことや分割方法に関するアドバイスを受けておけばトラブルも回避しやすくなります。

例えば、利益のバランスを調整するため法定相続分で分け合いたいと考えても、不動産があるなど金銭以外の遺産が多いときは上手く分割することが難しくなります。しかし弁護士が次のような分割方法があることを伝え、その状況に最適な手段とは何かを評価することができます。

遺産分割協議書の作成も任せられる

相続人間で遺産分割協議を行った後、「遺産分割協議書」を作成します。この文書は相続内容を証明する資料として重要な意味を持ち、例えば不動産の相続登記、預貯金の名義変更手続、相続税の申告などの場面で添付が必要となります。

これが適切に作成できていないと遺産分割協議の後に続く手続がスムーズに進められませんし、最悪の場合、遺産分割の結果について後々揉める危険性もあります。弁護士がついていればこのような心配をする必要はありません。

メリット ⑤親族やその他第三者と揉めたときの交渉代行

「弁護士への相談・依頼で、親族や第三者と揉めたときの交渉を代わりにしてもらえる」というメリットもあります。

相続人同士、家族間・親族間、あるいは第三者との間で揉めることもあります。

この問題に対処するには、相続制度のルールを知っているだけではなく、相手方との和解に向けての交渉もできないといけません。

当事者同士の話し合いだと感情的になってしまったり、法律上の知識が足りていなかったりしてなかなか解決は難しいですが、法律のプロである弁護士が間に入ることで円滑に解決しやすくなるのです。

訴訟対応できるのは弁護士だけ

相続制度に詳しい専門家は他にもいますが、トラブル解決や示談交渉などに制限なく対応できるのは弁護士だけです。

最終的に訴訟を提起して争うケースもありますが、その場面においても弁護士がついていれば対応に困ることはありません。